AIで加速した試作開発。そのスピードを品質保証までつなぐ。~Agentiqs × Next Designで、外部仕様の整理からテスト生成まで~
導入前の課題
試作開発は速い一方、品質保証フェーズでは仕様確認が重くなった
Agentiqs の試作開発フェーズでは、要求・仕様・設計を行き来しながら、コーディングエージェントを活用して素早く成果物を作成していました。
この段階では、正解が一つに定まっているわけではありません。まず作って、使って、変える。そうした反復の中で、必要な機能や設計の方向性を固めていく進め方が有効です。
ただし、試作開発が速いからといって、そのまま品質を保証できるわけではありません。品質保証フェーズでは、以下の課題が表面化しました。
- 要求が詳細な外部仕様まで十分に落ちきっていないことがある
- 仕様確認とテストケース作成に手間がかかる
- 結果として、網羅的な検証が重くなりやすい
つまり、試作開発を速く進めても、後から「成果物をどう正しく整理し直すか」が重要になります。
対策
Next Design に取り込んだ外部仕様をもとに、Agentiqs が設計とテストにつなげた
事前準備として、試作開発時にコーディングエージェントがコードとあわせてYAML形式で出力した外部仕様を、Agentiqs で Next Design に反映し、品質保証フェーズで活用する成果物として整理しました。
Next Design についてNext Designは、デンソークリエイトが開発した設計ツールです。設計情報をモデルとして構造化し、仕様書などの成果物の構造や関係性を管理できます。詳細は「Next Design製品サイト」を参照ください。
作成し た成果物は人がレビューし、コードとの整合性と仕様としての妥当性を確認しました。
その後、Agentiqs が Next Design 上の外部仕様を一件ずつ取得し、設計とテスト項目を Next Design 上にモデルとして作成し、外部仕様・設計・テスト間のトレースを設定しました。
これにより、仕様から設計、テストまでの対応をたどれるようにしました。
この処理を支えるのが、次の4つの仕組みです。
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設計情報の項目と構造が定義され、AIが扱う情報を明確にできる
Next Design では、成果物に記載する項目や、階層・関連などの構造を「メタモデル」で定義します。例えば、テストケースであれば「前提条件」「操作」「期待結果」をそれぞれの項目として扱えます。これにより、自由な形式の文章だけを渡す場合に比べ、AIが「どの情報が何を表すか」「生成した内容をどこに記録するか」を判断する手がかりが明確になります。モデルの定義に加えて、記載内容のガイドラインや検証観点を与えることで、組織で定めた形式や観点に沿って作業を進められます。
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Agentiqs が Next Design と連携し、成果物の反映と関連づけを行える
Agentiqsには、Next Designのモデル情報を取得し、モデルを作成・更新する連携機能があります。AIが仕様を参照するだけでなく、生成した成果物を Next Design に反映できるため、人がAIの回答をコピーして転記する作業を挟まずに処理をつなげられます。本事例では、Agentiqs が対象の外部仕様をもとに後工程の成果物を作成しました。さらに、仕様と各成果物のトレース情報を設定することで、仕 様変更の影響や対応づけの漏れを確認できるようにしました。
Next Designのトレーサビリティ表示例
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ワークフローで処理対象と手順を定義し、AIによる作業の抜け漏れを防ぐ
大量の情報をAIにまとめて与えるだけでは、一部の対象や作業手順が抜け落ちることがあります。 Agentiqs のワークフローでは、処理対象と手順を定義し、一連の処理を繰り返し実行することができます。この機能を使い、外部仕様の取得、テストケースの生成、Next Designへの反映、関連づけを一連の手順として定めました。外部仕様を一件ずつ取得し、この手順を繰り返し実行することで、処理対象や作業手順の抜け漏れを防ぐ仕組みにしました。
Agentiqsのワークフロー機能『繰り返しや条件分岐などのルール』と『AIエージェントやツールの実行』を組み合わせて処理を実行します。
プログラムが必要な内容だけAIに渡すことで、抜け漏れなく、確実に処理を実行できます。Agentiqs のワークフロー画面
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AIが生成した大量の成果物を、人がレビューしやすい形式で表示できる
Next Design は図・表・文書など様々な形式で設計情報を表示します。図で全体を俯瞰し、表で比較し、文書で詳細を読むなど、人が確認したい内容に応じて成果物の表示方法を使い分けることができます。Agentiqs が生成した仕様や設計、テストケースも項目や階層がそろったモデルとして整理されます。これにより、記載不足やテストケースの結果の確認など、観点に応じて確認しやすくなります。
Next Designで同じ設計情報を図・表・文書に切り替えて表示する例
導入の効果
約15万行のソースコード、約1,200件の外部仕様を扱った本事例では、人の作業工数を約130時間から約65時間へ半減できました。1回あたり約40万円、年4回実施すると年間約160万円の工数削減効果に相当します。
この取り組みに使った工数と、Agentiqs・AIの利用料を合わせた初年度費用は、1人あたり約17~18万円が目安です。
- 初期費用(習得・エージェント構築):約10万円(0.1人月)
- 年間利用料:6.6~7.8万円(Agentiqs:5.4万円 、AI:1.2~2.4万円)
※初期工数は、Agentiqs全体の習得工数0.5人月の20%を本案件に配賦。AI利用料は1回50~100円、月20回×12か月で算出しています。費用は本事例の条件に基づく目安で、経験・構築範囲・契約内容・利用人数・AIモデル・処理量によって変動します。
まとめ
本事例でのAgentiqsの価値は、仕様の取得からテストケースの生成、モデルへの反映、関連づけまでを、繰り返し実行できるワークフローにしたことです。 試作時の仕様・設計情報を、人がレビューできる成果物へつなぐこの仕組みは、AIを活用した開発で仕様整理やテスト設計に負担を感じている現場にも参考になる進め方です。
外部仕様の整理やテストケース作成に負担を感じている方は、DC Agentiqsの評価版で、ご自身の開発業務への適用をお試しください。