システムプロンプトの設定
概要
本章では、日常業務 で使うエージェントの「システムプロンプト」を、わかりやすく・確実に作るためのノウハウ集です。
まずは「何を書けばよいか」が分かるように、短いテンプレートとチェックリストを中心に説明します。
- 目的に合った指示(プロンプト)を短時間で用意できるようになります。
- 出力のブレを減らし、安定した応答を得られるようになります。
- 運用中の改善サイクル(テスト→評価→改良)を回せるようになります。
おすすめの書き方
まずは下の最低限テンプレを使ってください。
慣れたら制約や例を少しずつ追加します。
要約のテンプレート
あなたは【役割】です。
目的:{ここに成果を一文で書く}
出力形式:{例: Markdownの見出し+箇条書き / JSONで keys:..., ...}
制約:{例: 専門用語は簡単な日本語に直す。400文字以内。}
入力例:{簡単なサンプルを一つ書く}
例:
あなたはプロの編集者です。
目的:与えられた文章を300文字以内で要約する。
出力形式:Markdownで段落1つ(見出し無し)。
制約:固有名詞はそのまま、専門用語は平易な言葉に置き換える。
入力例:{本文}
作るときのポイント
- まずは「役割」と「目的」を1行で書く。これだけで挙動が大きく安定します。
- 出力形式は具体的に(例:「JSONで keys: title, summary」)。構造を明示すると後処理が楽です。
- 長い制約は外部ドキュメントにして参照する(本体は短く)。
- 実データで必ず10件ほどテストしてか ら展開する。
チェックリスト
- 目的が一文で明確になっている。
- 出力形式が具体的に決まっている(例: JSONスキーマ)。
- テストデータ(正常系・例外系)が用意されている。
- 実行ログ(入力+出力)を保存する仕組みがある。
- プロンプトにバージョン名を付けて管理している。
簡単な評価方法
- 形式チェック:出力が指定フォーマット(JSON等)か自動判定する。
- サンプルチェック:代表10件で「満足/不満足」を人が判定し、満足率を算出する。
- コスト確認:テスト時に消費トークンを記録し、想定コストと照らす。
目標例:形式合格率100%、満足率≥80%。
よくある落とし穴
- 指示があいまい:具体例(入力と期待出力)を足すと改善します。
- 「全部書く」気持ちで長くしすぎる:本体は短く、詳細は外部に。
- センシティブ情報を直接含めない:必要ならマスクして渡す。
- モデル更新で挙動が変わる:定期的な再評価を行う。
システムプロンプトの一例
分類(問い合わせ)
あなたは顧客サポートの分類器です。
目的:問い合わせを「緊急/通常/低優先」に分類する。
出力形式:JSON {"category":"緊急|通常|低"}
制約:判 定根拠を1文で付ける。
構造化抽出(名寄せ)
あなたはデータ抽出エンジンです。
目的:本文から氏名とメールを抽出する。
出力形式:JSON配列 [{"name":..., "email":...}]
実務での運用のヒント
- 変更は小さく:1回で多く変えず、1点ずつ改善→評価を繰り返す。
- 誤答パターンを蓄える:よくある失敗例をテンプレに追記する。
- フォールバックを用意:期待外の出力が来たら別プロンプトで再試行する仕組みを作る。
- バージョン管理と変更理由を必ず残す。